大津磨き壁

udf2005-07-29

杉並郵便局の裏にある「ドーモアラベスhttp://www.zoz.co.jp/residence/residence_folder/resid2.html」で行われた、シンポジュウムと言うか「勉強会+パーティー」のようなイベントに出かけた。「ドーモアラベスカ」は「象設計集団」の初期の住宅として有名だが、外はよく見ていても中に入ったことはなかったので、良い機会だった。「象設計集団」の中の富田玲子氏の設計によるものだと思う。
富田玲子氏の住宅と言えば、百個の窓が特徴的な「起爆空間http://www.bekkoame.ne.jp/~cokanba/Windows100-2.html  http://hitotok.blog135.fc2.com/blog-entry-102.html」と言う事になるのだろうが、実際に見たことがないので、建築学会の見学会で富田玲子氏本人が案内してくれた、宮代小学校が印象に残っている。このような個性を持った建築家は、今非常に少なくなったのではないだろうか。
内部は、玄関を入ると大きな空間のリビングになっていて、そこでイベントが行われる。1階はこのリビングとダイニング及びキッチンなど(と、書くとかなり普通の構成に見えるが、空間の作り方は流石に・・・、と言った感じ)。2階はプライベートゾーンで、寝室と書斎その他(と、書いてしまうとまたまた、「普通」みたいに見えるが、これまたレベルの構成や各室の空間のスケールなど、detailも含めて、流石に・・・)。全ての空間が開放されていて自由に見学することが出来た。
「大津磨き壁」の話は、小沼充氏*1。実際に手がけた、「いるか荘」と言う古い木造アパートをリニューアルする現場の風景を、スクリーンに映し出して解説するスタイル。飲み物と料理が出る中での「講演?」なので、「和気あいあい」とした雰囲気。
大津磨き壁」と言うものの、名前はなんとなく耳にしていたような気がするが、その実態について詳細な解説を聞いたのは今回が初めて。詳細な説明については、「atelier Tera/土の会 田村和也氏のHPに詳しい⇒http://members.jcom.home.ne.jp/k-tamura/
興味深い話の連続だったが、知識として、「漆喰の磨き壁」と「大津磨き壁」の見分け方は、「紙のスサ」による表面の微妙な表情を見ることが出来るのが、「大津磨き壁」の特徴らしい。仕上げ塗りの「引き土」に、1cm角ぐらいに切った和紙を水に溶かし、さらによく叩いて繊維を細かくした後、土に混ぜて塗るとこてで、磨いた後にわずかに和紙の繊維が表面に顔を出して、表情を作るらしい。

*1:1960年生まれ。榎本新吉に師事。作品に「青松寺」(東京愛宕)、「教文館カフェ」(東京銀座)など。話題の?愛知万博ジブリの「めいとさつきの家」を手がけ、最近では竹中工務店東京社屋で「久住章展」に協力。−今回のイベントの案内より−

ウサギの型枠

■自転車でs-projectの現場に行く途中、30年近く前に宿舎を設計したときの現場に寄ってみた。建物は標準設計なので、外構計画に少し力を入れてやったもの。
小さな遊び場を囲むコンクリートの塀に、ウサギのレリーフを作った。二匹いるがトップの写真はそのうちの一匹。決して、あのウサギのコピーではないつもりだったが・・・。宿舎のバルコニーで型枠を「回し引き」で切り抜いて作った。型枠がちゃんと抜けるように「テーパ」を付けて作ってある。それなりの大きさがあるので、12mmの合板を「ウサギ」の形に切り抜くのは結構大変だった記憶がある。
塗装は「ネタ」だけペンキ屋さんに作ってもらって、自分で塗った。日曜日の夕方になってしまい、車のヘッドライトを付けて塗っていたら、何故か(偶然通りかかったらしい)、当時の上司が後ろに立ってみていたので焦ったことが記憶に残っている。まあ、国家公務員の技官がしてはいけないことだったのだろうが・・・。
30年近くたつが、ペンキが綺麗に塗ってある。それなりに住民に可愛がられているらしい。良かった!
今日のCD

東芝クラシックス 95-97

東芝クラシックス 95-97


C38800