ダイキンエアコンUX

エアコンは常に悩みの種だが、必要に応じて建築的に処理することになる。一般的には格子を使うことが多いようで、e-projectでは材料を手配して、自分で作ってみたがかなり大変な作業になる。d-projectではすべて露出と言うことになった。容量やスペースの問題でかなり悩むことになる。
東京建築士会の見学会で見た、坂本一成氏の江古田の集合住宅では天袋のようなところに入っていて、使う時は戸を開けて使う(戸上部に丁番)と言うものだった。若い所員のアイデアだったようだが、なんとも言えない感じ。悪くは無いが、戸棚が開けっ放しのようで・・・。
エアコンのデザインと言うのはどこか丸みをおびていて、なんとなく「ぬる-い」感じのデザインが圧倒的に多かったが、このダイキンのエアコンは直線で構成されていて、露出で使ってもいけそうな感じがする。
発売はかなり前のようだが、今まで気が付かなかった。製品の詳細は、http://www.daikinaircon.com/catalog/d-catalog/urusara/uxseries/index.html参照。
厚さが15cmと言うのも良い。

ONとOFFでカタチが変わる。
停止時には開口部をすべて閉じ、薄さわずか15cmのコンパクトサイズ。
運転時には前面のスライドオープン機構により、吸込口とともに吹出口のシャッターが開口します。

と、カタログに書いてありました。動くところが多いのは気になるが、この程度のスライド機構は他のエアコンにも、フィンの調整などに使われていそうなので問題ないのだろう。
写真はダイキンのカタログから。

エアコンで問題になるのは、他にもあってその際たるものが、冷媒管とドレイン管の処理。壁の中に空配管してその中に納めることで、まったく配管を見せない方法があるが、かなり早めに位置を決定しないといけないし(電源などの問題も含めて早めに位置は決定するが:基本的には実施設計の時に)コスト・手間もかかる。クライアントの考えも有りずるずると決定が遅れる場合もある。
最近の例では、クライアントが量販店から直接購入し、取り付けも量販店の下請けに依頼するということで、どうしても壁の中に納める必要がある部分は、壁のシナ合板の一部を取り外せるようにして、後からエアコンの設置が自由に出来るようにした。
もちろん見えがかり上ビスは使えないので、ケンドン式にして目地だけで逃げる方法をとった。
一般論としてではないが、このときの取り付け業者はひどいものだった。作業する人と直接、位置などを打ち合わせて置いたにもかかわらず、打ち合わせのとおり取り付けず、結局位置を調整することになってしまった。
壁の中に納められない場合は、周辺の条件を考えながら、外壁に這わせることになる場合が多いが、道路などから良く見える場合は、配管をカバーすることになる。
カバーする方法はいろいろあるが、e-projectで検討したものは、雪除けの穴あきパネル(東雲の伊東豊雄氏の設計した棟の階段室を囲っている例が、最近見たものでは大規模に使用している例。住宅レベルでは良く使われている)http://www.nfe-kenzai.co.jp/catalog/life_landscape/life_02/index.html、あるいは設備用ケーブルラック(http://www.negurosu.co.jp/new/new11/pdf/0123-1.pdf)など。しかしコストなどを検討した結果、外壁と同じガルバリュームで板金職人さんに作ってもらうのが、最もコストパフォーマンスが良かったので、ガルバリュームの現場加工に落ち着いた。
納め方は、角波の谷の部分に配管を収めて、その上にガルバリュームのコの字型の蓋をビス止めするという素朴なもの。