ARTDECO展

udf2005-03-24

すこし先になるが、東京都美術館での展覧会。http://info.yomiuri.co.jp/event/01001/200503056644-1.htm
■会期:2005年4月16日(土)〜6月26日(日)
月曜日休室(ただし、5月2日は開室)
9時〜17時
■会場:東京都美術館(東京・上野公園)
観覧料金が1400円とチト高いような気もするが。チラシの案内を引用しておく。

19世紀末に流行した装飾芸術振興運動「アール・ヌーボー」を引き継ぎ1920年代から30年代にかけ世界を席巻した「アール・デコ」ー。
このきらびやかで、かつ懐かしい装飾様式を、絵画、彫刻、建築、インテリア、ジュエリー、服飾など世界の名品約200点を一堂に集め、紹介します。
2003年にロンドンで開催された「アール・デコ 1910-1939」展をもとに構成し、日本では「アール・デコ」をテーマとした最初の大規模展覧会です。「アール・デコ」様式は、近代的な機能主義に還元されない「装飾芸術」最後の展開と言われます。そうした展開を絵画から大衆文化まで余すことなく多岐にわたってとりあげます。
展示では、「アール・デコ」様式の作品を単純に紹介するだけでなく、エジプト、中国、など多様な影響源やエキゾティシズムなども紹介。「アール・デコ」様式の起点となった1925年のパリ現代産業装飾芸術国際博覧会の様子や、北米や日本をはじめとする世界へ伝播していった流れを、テーマ立てしながら分析します。

デザイン史を考える上で、デザインに関連する様々なものがどのように生産されるか、と言う問題を避けて通ることは出来ない。長い時間軸の中での自分が置かれている状況を確認することが、次のデザインのステップに繋がると思っている。
アール・デコ」も生産スタイルに制約されたひとつの「様式」に過ぎないのだろう。勿論、その「形態」についてはいろいろ考えることは出来るのだろうが。
そこで、サイトから見つけた(http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/syakai/Tiri/tenkoHP3/04industry.html)「工業の発達」でそのあたりを再確認しておく。特に「工場制機械工業」はデザインにとって決定的な影響を及ぼしていることは周知の事実。

工業の発達

  手工業…注文に応じて生産販売(家内工業
        ↓      (座・ギルド・株仲間)
  問屋制家内工業…問屋が手工業者に道具・材料の貸与その製品の販売
        ↓      (生産者と販売者の分離)
  工場制手工業(マニファクチュア)…資本家が資金を出して、工場を建設し、
            労働者を雇用して、道具を用いて分業で生産する手工業、
        ↓   大量生産の萌芽期
  18世紀後半 産業革命 コークス製鋼法、蒸気機関、動力機械
                 自動織機
        ↓   繊維工業の発達(消費財の生産)
  工場制機械工業…大きな資本を持つ資本家が、多くの労働者を工場に集
              めて、機械により均一な製品を大量生産する工業   
   19世紀  ↓    資本家・労働者=資本主義経済体制の成立
  重工業の成立:生産財の生産工業発達(鉄鋼業:産業の米)
        ↓
 20世紀 石油科学工業の成立・発達
        ↓  メジャーの産油国支配
       南北問題の発生
 第2次世界大戦後
       先進工業国のオートメ化、大規模化、コンビナート
 1970年代以降…発展途上国で工業の発展(繊維工業:アジアNIEs
            先進工業国に先端産業「産業の米:IC」
        バイオ、超伝導、セラミック、新素材、宇宙産業
        企業の多国籍化、海外工場

アール・デコ」はそれまでの装飾芸術が手工業的生産スタイルだったものから、工場制機械工業による生産に全てのものが移行する中での、過渡的なデザインだったことも良く知られている。
とは言え、「アール・ヌーボー」に比べてより直線的なデザインである分、工場制機械工業によって生産される「機能主義」的なデザインに近づいているものでもあるだろう。
それでも、まだまだ「人の手」の感触は十分感じられるデザインであるところが、今もって評価され好まれる点なのだろうか。
アールデコ建築の代表作と言われる、NYのクライスラービルhttp://www.movies.ne.jp/locationguide/newyork/midtown/picture_chryslerbuilding_003_v.htmlは今も、最高の高層ビルデザインだと思うが、先日亡くなった丹下健三のデザインした、パークタワービルの外壁の横縞デザインは、クライスラービルそのもの。アールデコは現在にも生きられるかすかな気配が感じられるデザインなのではないだろうか・・・。
今日はチョット理屈っぽくなったかな・・・。
hhstyle.com annex
原宿キャットストリートのhhstyle.com annex(安藤忠雄氏設計)の小さな広場に植えられている樹木はオリーブらしい。何故オリーブなのか・・・。hhstyle.com の前にもオリーブが植えてあったか???今度聞いてみよう。