東京ハウス:うなぎ-変形版-openhouse

東京ハウスの「うなぎ」第1作が完成し、オープンハウスを開催していたので見に行ってきた。
「そもそもこれ何だ?」と言うことだが、新種の「ハウスメーカー」「Boo-Hoo-Woo.comhttp://boo-hoo-woo.com/index.html」(以下BHWと略させていただく)の一連のシリーズの中の一つと言うことのようだ。今日の資料の一部を引用しておく。

デザインを機軸にハイクオリティーな住宅を提案し続ける全く新しいスタイルのハウスメーカーBoo-Hoo-Woo.com。家具を買うような感覚で建築家のつくるデザイン性の高い住宅を購入できるプロダクトハウスの販売をはじめ、オリジナル住宅の設計やリフォームまで幅広いライフスタイルを提供します。

と言うことで、一見「MUJI」の「木の家」のようなコンセプトと似通って見えるが?決定的に違うのが、「木の家http://www.muji.net/infill/」が「難波和彦氏」一人のデザインによるものだが、「BHW」の場合は、
●「東京ハウスhttp://www.tokyohouse.jp/index.html」と言う「ブランド」で、「細長い敷地(一面開放)」に「千葉学氏」の「うなぎ」、「旗竿敷地」に「アトリエ・ワン」の「旗」、「角地(二面開放:必ずしも道路ではないようだ)」に「阿部仁史氏」の「カド」と、今、飛ぶ鳥も落とす勢いの建築家(グループ)によるバリェーションをそろえている点。他に、
9坪ハウス:最新のものは「小泉誠氏」のもので、これは有料「オープンハウス?」で設計事務所・学生お断り。
オリジナル設計、リフォームなどもやっているようだ。
現在、「売れている」建築家を使って住宅を提供するもので、これを「ハウスメーカー」と言うことでくくれるか、かなり疑問。「ハウスメーカー」とは何かということになるが、「MUJI」やこのようなスタイルで「プロトタイプ」を出してくる、メーカーや工務店ディベロッパーが増えてきそうだ。
コストや堅牢性だけでは「差別化」できない状況になってきたのだろう。勿論これはだいぶ前からの傾向だが、ここに来て一段と加速しているようだ。
ところで、今日見てきたものは「うなぎ」の変形で、50㎡弱のかなりコンパクトな住宅http://www.tokyohouse.jp/works/house_h/index.html。プランも断面も面白くDETAILもかなり考えられている。写真を載せられないのは残念だが、かなりきわどい納まりもある。明らかにデザイン先行型のDETAILだが、たぶん施主も承知のうえだろうと思う(会場で見かけたが・・・)。やはり建築の質はかなりの部分施主の「度量」によるところが大きい。・・・
睡魔に襲われこれ以上かけない!朦朧とした中ではまずいので今日は終わり!
一晩寝て、少し元気になったので昨日の続き(DETAILに関すること)を少しだけ。

★一番気になった「納まり」は開口部周りで、とにかく「枠」を消したかったようだ。これは誰しもやって見たい、と言うより「シャープ」に仕上げたいと言う思いから、枠や幅木を消したくなる。しかしそれには常に「リスク」と「コスト」が伴う。メッシュを張ってパテでしごいてしっかり塗装しても、建物は動くし木もパテも痩せる、その結果クラックが入る。それを避けるために目地で逃げたりするが・・・。まあ、例えば、白く塗装した「出幅木」の上にゴミが溜まって黒く汚れるのだって同じだし、層間変異を極端に小さくしなければ壁にクラックも入るし、天井の塗装したボードも時間がたてば下地を拾う・・・。といろいろあるからなんとも言えないが。
★階段の納まりも気になるところ。踏み板と蹴込みを「留め」で納めている部分。ノンスリップ加工を何もしていないが、これもできれば何かしたいところ。接着剤をしっかりしておけば出隅が欠けることは無い、と言うことだろうか?
深澤直人氏の言う「ちょっといいふつう」にも有るように、吉村順三氏(や宮脇檀氏)のようなDETAILを追求したいものだが、どうしても「ジャーナリズム」は「売れる」デザインに流れるし、「ジャーナリズム」によって「デザインの流れ」も左右される傾向はあるのでつらいところ。いろいろなデザインがあって良いわけだし、最終的な選択はクライアントにあるので、「クレバー」なクライアントにも期待したい。