鶴翔閣・臨春閣・白雲邸

udf2005-08-11

三渓園の夏のイベントとして、三渓園の3つの建物が「内部特別公開」を行っている。
文化財の古建築 鶴翔閣・臨春閣・白雲邸 内部特別公開
■2005年8月6日〜21日
朝顔展」と「早朝観蓮会」はすでに終了している。
今回のイベントのチラシを元に三つの建物の概要をまとめておく。

鶴翔閣http://www.tvk-bb.tv/yokohama/bbyokohama/spot/movie300/sp012.html 原三渓が自ら住まいとして使っていたと言われる建物で、1909年建築。延べ床面積約950㎡という、住宅としてはかなり大きなもの。建物の内部はほとんど装飾が無く、絵画などを装飾としていたとのこと。当時、横山大観前田青邨等、後の日本画壇の重鎮となる画家が出入りしていた。
臨春閣:江戸時代初期(慶安2年・1649年)、和歌山・紀ノ川沿いにつくられた紀州徳川家の別荘。原三渓が譲受け大正6年・1917年移築。平面配置構成は変更、玄関を増築、内部は旧態を残している。外観の美しさだけでなく、内部から見る風景も注目される*1
大分前に「住宅建築」で数寄屋建築の連載をしていた時、三渓園の建物を図面を含めて、かなり詳細に取り上げたことがある。サイトを探したところでは、図面などは見つからなかった。やはり建築の説明に図面は不可欠なのだが・・・。サイトの写真を見ても「臨春閣」の写真として、半分のみが写っている写真をかなり見受ける、図面が簡単に閲覧できればこのようなことも無いのだが。
白雲邸:晩年、妻・屋寿子と過ごした家。大正9年1920年建築。かつて玄関入口の門塀はなく、隣接する臨春閣との間に渡り廊下があった。当時、最奥の月華殿まで傘をささずに移動できたとのこと。電話室・風呂場のシャワーなど当時の住宅としては最先端の技術が導入されていた*2

トップの写真は、左側が蓮の花、右上が朝顔市、右下が臨春閣の襖絵。
三渓園全体の建物を確認するには、次のサイトがコンパクトにまとめられているようだ。
三渓園へようこそ」⇒ http://www.h7.dion.ne.jp/~hicomal/suburb/b06sankeien/
三渓園といえばなんと言っても個人的には「聴秋閣」が一番好きだが、小さな建物なのでなかなか2階までは上がる機会がない。一度だけ2階まで見学する機会を得たことがあるが、やはりその眺めは素晴らしい、と言うよりチョット不思議な感じがする。以前blogに書いたような記憶もあるのだが、検索したところでは出てこないので、機会を改めてまとめてみたいと思っているが、三渓園の行事予定によると、秋に、「聴秋閣」と「春草廬*3」の公開があるそうだが、どこまで見せてもらえるのか分からない(まあ、問い合わせればよいのだろうが、聴秋閣の2階に上がらせるとも思えない・・・?)。
三渓園行事予定」⇒ http://www.three-f.co.jp/yokohama/honmoku/sankei.html
小学校か中学校の遠足で三渓園に来た時には、海がすぐ近くにあったような気がするが、現在は海岸線は遥かに後退(前進?)し、間に高速道路が出来ている。

*1:以前内部を見学する機会を得たことがあるが、2階からの眺めは素晴らしい。特に臨春閣前面の池の端にかかる橋、「亭榭」が調度良い具合に見える。

*2:以前見学した感じでは、夫妻の書斎がそれぞれ作られていて、そのデザインが印象的だったが、詳細は覚えていないのでこの機会にもう一度見学してみても良いのだが・・・。

*3:春草廬は織田有楽斎が建てた三畳台目の茶室。以前見学させてもらった時の印象では、周辺の樹木のせいもあるが、窓が多い(九窓亭、と言われているようだが)割には比較的暗い茶室のような気がした。