INAX REPORT

udf2004-09-25

TOTOのことを書いたら必然的にINAXと言うことに。
INAX REPORTも以前はTOTO通信のように宣伝のための冊子という感じだったが、いつごろ現在のような形になったかは記憶が無いし、調べても記録が無い。多分、京橋のINAXに行けば分かるのだろうが(今日行ったので聞いてくればよかった!残念)。
100号記念が1992年6月号で白井晟一・ディテール再考・開花するモダニズム(4)、創刊号は1975年となっている。
INAX REPORTに注目して、特集をストックし始めたのが、池原義郎氏がコーディネーターとして連載を始めた、「ディテール再考」シリーズ(3つに分かれている)から。以下はその各号の内容。
モダニズムへのかけはし》
1 William Merrel Vories : 
神戸女学院/大丸ヴィラ(旧下村邸)/東華菜館が紹介されているが、大同生命本館・YMCA会館・主婦の友社・東洋英和など見たことがあった建築が随分無くなっている・・・。
2 渡辺 仁
上野の国立博物館で、前川國男を破ったことで有名だが、ここでは横浜のホテル・ニューグランド、上野の国立博物館原美術館が紹介されている。1917年に逓信省に入省していることになっているが3年で独立したようだ。他に銀座和光や第一生命館などを設計しているが、驚いたのは南新宿にある旧小田急本社の設計者だったこと(最近少し改修したようだが)。
3以下は、佐藤功一・渡辺 節・遠藤 新・安井武
《開花するモダニズム
今井兼次・大江 宏・海老原一郎・白井晟一・西澤文隆・谷口吉郎
《続・開花するモダニズム
アントニン・レーモンド
2 吉田鉄郎:言うまでも無く逓信建築の礎を築いた建築家で、東京中央郵便局、大阪中央郵便局の設計者。他に、旧別府市公会堂、旧京都中央電話局新上分局。それにしてもスケッチが上手い!
3 山口文象逓信省に入省、数年で離れることになるが、創宇社建築会を結成。創宇社は逓信省の図工グループが結成した組織。新制作座文化センター、朝鮮大学校、旧林芙美子邸、高台寺野遺芳席のうつしにはチョッとビックリ。
以下、佐藤武夫・村野藤吾・?
《装飾の復権》 ストック出来ず。
《続・装飾の復権》:内井昭蔵のコーディネートで連載されていたもの。
1 屋根とコシモロジー
2 壁
3 柱
4 ?
5 天井
6 階段
《装飾の復権−PartⅢ》
1 表現の手法-① 序・黎明期の情念
2 表現の手法-② 究極の空間  淀川製鋼所迎賓館(旧山邑邸)
3 表現の手法-③ 空間の秩序
4 表現の手法-④ 多面性と合理性
5 表現の手法-⑤ いきな建築
表現の手法-完 多彩な表現
INAXの営業の人が退官後もフォローしてくれていたので、INAX REPORTは無事届いているが、独立のごたごたでしばらく整理が出来ず、その後のINAX REPORTがバラバラになってしまっている。
最新号は、写真の「内田繁特集」。内井昭蔵が急逝した後、内藤廣氏がその役を任されたようだが、この号は竹山聖氏が巻頭の紹介文を書いている。内田繁氏の作品も要領よくまとめて紹介されている。最後に内田繁氏と内藤廣氏の対談。このスタイルは定着しているようだ。
TOTO通信とは違った面で非常に質の高い雑誌だと思う。建築関係の雑誌が「ファッション雑誌化」あるいは「技術雑誌化」している状況の中で、この2つの企業雑誌は貴重な存在となっていると言えるのではないだろうか。