さいたま新都心o-project 2

udf2004-10-30

複数の事業者が参加する大規模な開発計画には、事業者間の調整が必須であるが、さいたま新都心の場合は国の施策と言うこともあり、官公庁街区が先行することとなり、郵政省(現郵政公社)・建設省(現国土交通省)・簡易保険事業団(現郵政公社)・県学校共済組合と基盤整備の住宅都市基盤整備公団都市再生機構)・埼玉県などで「街づくり協議会」と言う調整会議が設置されていた。座長には都市計画家の伊藤滋氏、デザイン調整のマスターアーキテクトとして内井昭蔵氏が招聘されていた。
建設省の建物は、日建設計等の3社JV、簡保事業団は、ニッテイ・山下設計の2社JV、郵政省は丸の内建築事務所と構造計画の2社JV、学校共済はまだ設計者が決まっていなかった。
郵政省は2社のJVに外注しているが、DETAIL、仕様などは全て省内の建築家が検討決定している。たとえ「実施設計」を放棄させられたとは言え、「逓信建築」以来の建築家集団としての自負は色濃く残っていた。
今回は基本設計の時の模型と、完成模型およびパースをまとめておく。
当時、郵政省ではさいたま新都心の計画のほか、伊勢志摩の施設も並行して基本設計を進めていた。
その模型を作成するために、学生が何人かアルバイトで来ていたが、そのうちの一人が1年ほど「さいたま新都心」の担当で模型の制作を行った。その後は理科大の2部に通う学生が引き継いでいる。写真のホワイトモデルは彼女らが作成した模型。
完成模型は、「アトリエエスキース」による。このアトリエを主宰する倉林氏は、模型の「テレビチャンピオン」になった模型の名手で、コストも非常に安かった。勿論模型の出来栄えは非の打ち所がなかった。http://www5.ocn.ne.jp/~ate/
パースは、手書きを熊本の「夢工房」に、CGを「CADセンター」にお願いした。
トップの写真は、「アトリエ・エスキース」の模型。テントを受けるフレームに嵌め込まれたパネルは、設計図を元にコンピューターで切り出して作成した、非常に精密な模型(この部分は工事発注ご変更されている)。

左から建設省簡保事業団、郵政省の建物:「街づくり協議会」会場にて。

ホワイトモデル:低層部とリフレッシュコーナーの吹き抜け部分との関係・屋上のデザインをチェック。
メインエレベーターまわり:これも工事発注後変更になったが、デザインは「マンハッタンデコ」をイメージしたもので、ゴールドと蛇紋岩。石のカタログ、ダイノックフィルムの上に透明シートにエッチング模様をコピーして貼り付け他。

「アトリエ・エスキース」による完成模型。主にアクリル板に彩色。

夢工房」によるエントランスの手書きパース(これも工事発注後デザインが大幅に変更された)。

CADセンターによるパース。