無印良品の広告:大徳寺孤篷庵山雲床

udf2005-01-24

無印の茶室広告の最後に残った山雲*1。四畳半台目という余り聞いたことの無い大きさの茶室。水屋側が腰付きの明り障子であるところも面白いような気がする。そう言えば以前関わった(設計の引継ぎで現場を見ただけだが)岐阜の貯金地域文化施設の広間も水屋側から採光されていたような・・・。
直入軒(http://d.hatena.ne.jp/udf/20050119#p1)に引き続き、芸術新潮の解説の一部を引用しておく。

直入軒に続く茶室・山雲床(さんうんじょう)は、大徳寺龍光院の密庵席(みつたんせき)をもとにして、松平不昧の発案により、再建時に新たに作られた。床柱や中柱にほどこされた手斧(ちょうな)目は密庵席でも見られる。露地の刀賭けは密庵席にはない。この刀掛けの下には、楠の切り株の化石が置かれている。

トップの写真は石井和紘氏の建築文化に載った小論文にある写真だが、山雲床から露地と「布泉(ふせん)」の手水鉢が見える。同じく芸術新潮から布泉の手水鉢の部分を引用しておく。

「布泉」の手水鉢は、銭の形にデザインされている。経済感覚も優れていたこの茶人らしい発想である。しかもサイホンの原理を応用して、手水鉢からこんこんと水が湧き出る仕掛けも施されている。

山雲床を見学した時の印象は薄れてしまっているが、襖が開いていたせいか直入軒と一体化した感じが残っている。
遠州のオリジナルの茶室ではないわけだが、密庵席*2を基にしている感じが建具*3や、床の配置*4に感じることが出来る。
無印の広告写真は、内部は床に白磁の茶碗、外部は「布泉」の手水鉢だろうか・・・?見てみないと分からないが・・・?