ホールダウン金物

udf2005-02-17

知人のTさんのリフォーム現場を見学。リフォームといっても構造設計者が入る、かなり躯体までいじる大掛かりなもの。
築40年の建物で2階は今時珍しい、「木賃アパート」で六畳の室内に流し(いまどきのミニキッチン)だけが有り、トイレは共同で廊下に洗面所がある。部屋によっては南側にキッチンと「書院」のようなものが付いている、面白いプランの部屋もある。長押が付いているので「書院造り?」。天井が一時的に取り払われていたが、小屋裏はさすがに瓦葺きなのでボリュームがある。

三軒茶屋に有る246沿いの花屋さんで、小屋裏を見せて上手に店舗にしているものがあるが、このスタイルは一昔前から結構多くなっている。
目黒川沿いの「higasiya*1はその典型かもしれないが、柱を抜いた後、鉄骨補強しているところが大胆*2麻布十番にあるカフェ「cafe life cafehttp://www.k-n-p.net/cafelife/interior.html もそうだったような気がするが・・・。

それはそれとして、今回のリフォームは戦後間もない、資材に乏しい頃の住宅を構造補強すると言うところにポイントの一つがある。
トップの写真は、土台はいじらずに土間コンを新たに打って、そこにアンカーしたホールダウン金物で柱の引抜を補強しているもの。ここで面白いのは、ホールダウン金物をボルトで繋ぐのではなく、ケーブルで繋いでいる点。これなら多少ねじれても問題なく力は流れるように思える。でも、左に傾きながら引っ張られた時に柱が土台から外れないのだろうか、という疑問は残るが、多分ホゾが有れば大丈夫なのだろう。この製品は「Jケーブル」と言うらしい。http://www.amatei.co.jp/products/fitting/jcable/jcable.htmlしかしながら、新築時に初めからこのような施工誤差を吸収する金物を使っていては、工事の質が問われかねない。リフォームならではの使用方法だと思うが、どうなのだろう?「Jケーブル」の広告から引用しておく。

●ホールダウン金物とアンカーボルトをステンレスケーブルで直結しあらゆるホールダウン金物に適応します。
● ケーブルだから芯ズレ・角度振れ等のアンカーボルトの施工誤差をフレキシブルに吸収します。
● 国内の有力なケーブルメーカーの製品ですので安心です。

リフォーム途中の構造体を見られる機会はめったに無いので、とても参考になった見学会だった。