ふるさとの森

udf2005-02-19

2月16日に京都議定書が米国を抜きにして発効したが、どうやって数値目標を達成するのか、プログラムが分からない。派手な発効記念パーティーなどやっていないで、その道筋を広く一般に明らかにすることが先ではないかと、TVを見ながらあきれ返っていた。
まあ、景気付けにお祭り騒ぎも必要なのかもしれないが。ここまでたどり着くまでに確かに関係者の苦労は並大抵のものではなかったのだろうから。

京都議定書のポイント
○先進国の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数値目標を各国毎に設定。
○国際的に協調して、目標を達成するための仕組みを導入(排出量取引、クリーン開発メカニズム、共同実施など)
○途上国に対しては、数値目標などの新たな義務は導入せず。
○数値目標
対象ガス : 二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、HFC、PFC、SF6
吸 収 源 : 森林等の吸収源による温室効果ガス吸収量を算入
基 準 年 : 1990年 (HFC、PFC、SF6 は、1995年としてもよい)
目標期間 : 2008年から2012年
目 標 : 各国毎の目標→日本△6%、米国△7%、EU△8%等。
先進国全体で少なくとも5%削減を目指す。

日本の場合、基準年からさらに8%増えたらしいので、結局14%を削減しなければならないとか。
地球温暖化の問題は排出する温室効果ガス量を減らすほか、森林などによる吸収効果も重要となる。
トップの写真は、郵政省在職時に施設緑化の一環として「ふるさとの森づくりマニュアル」を作成した時のもの。
2000年当時の郵政省の建築は、環境問題に積極的に取り組んでおり、「ゼロエネルギー庁舎http://sapporo.air-nifty.com/nikkiroku/nikki/nikki20041002-11b.jpg」「ふるさとの森」「郵便局の木」「屋上緑化」などいろいろな取り組みを行っていた。
現在も環境に対する取り組みは続いているようだ⇒http://www.japanpost.jp/pressrelease/s10/2003/8_19_3.html
ふるさとの森とは・・・。「マニュアル」から引用しておく。

ふるさとの森は、
その土地の環境に適し、人の手を加えなくても自然に大きくなる樹種の苗木をたくさん植えて、自然本来の力を利用しながら、自然に近い森を回復しようとする方法です。「ふるさとの森」による遷移プロセスは、従来の遷移のプロセスに比べて、短期間で潜在自然植生の再生を可能にします。

この「ふるさとの木によるふるさとの森」を再生する方法は、横浜国立大学の宮脇昭名誉教授*1、藤原一繪教授*2が中心となって全国で推進しているもので、学術的には「幼苗密植法による潜在自然植生の再生」と言われています。
郵政省では、平成9年4月に、
①「郵便局の木」を<タラヨウ>と定めるとともに、
②郵便局舎の植栽には「ふるさとの森」の理念を適用することとしました。
・・・

■監修 郵政大臣官房施設部
■協力 横浜国立大学環境科学研究センター植生学研究室(藤原教授の指導を受けている)
■編集・発行 施設・建設総合情報センター(すべて当時の名称等)
当時の建築技術高度化推進室*3Y室長の下で、出版社との打合や校閲、現地の取材調査など実務にかかりきったものだが、勿論監修料など全く無かった。有る方がおかしいのだが。
緑化については難しい問題も多いが、今後とも機会を見つけて取り組んで行きたいものだが・・・。

*1:http://asahi.co.jp/50th/miyawaki.html

*2:http://www.city.ueda.nagano.jp/hishoka/koho/koho02/021001kou/hyoushi/kurasi.htm

*3:さいたま新都心の郵政庁舎が、郵政省として初めての超高層ビルだったのと、当時計算機センターで大規模な免震構造を採用していたので、それらの設計を担当するセクションとして作られたもの。その中に環境対応型の技術も含まれていて、OMソーラーシステムなどの技術も含まれていた。