桜もち

udf2005-03-20

「THE NIKKEI MAGAZINE」 3月号に面白い記事があったので書きとめておく。
日経新聞についてくる「新聞」でそのあたりの事情は「編集部から」に詳しいので、一部を引用しておく。

■新聞記者が作る新しいメディア「THE NIKKEI MAGAZINE」(日経マガジン)。名前に「マガジン」と入っていますが、これはあくまで新聞の一部です。第一線の現場で日々の新聞を作る記者が、「ちょっと立ち止まって考える」をキーワードに、新しい視点と発想でテーマを選び、取材・撮影していきます。
■戦争、テロ、異常気象、凶悪犯罪・・・。現代はあまりに悲惨な事件が頻繁に発生し、人々を思考停止に追い込もうとしています。しかし、こんな時代だからこそ一度立ち止まって視点をずらし、新しい光を当てて事象をじっくり考える必要があるのではないでしょうか。ひとつの価値観に満足せず、民族、信仰、文化、経済、国家、家族、世代それぞれにおいて、ゆとりを持った共存を目指す。そんな柔軟でしなやかな生活美学を提唱します。
■創刊号の巻頭特集を飾った・・・
■デザイン監修はグラフィックデザインの第一人者、戸田ツトム氏が担当。・・・。
編集長・山田康昭

日経新聞は資本主義経済スタイルを提唱する新聞ではあるが、インテリジェンスにおいて他の一般紙の上を行っているような部分もある。特に今話題のTV局とグループを組む経済新聞などとは比ぶべきも無い。
それはさておいて今日は春分の日、もう少し経つとサクラの開花の話題で賑やかになるが、花より団子で「桜もち」も捨てがたい。
「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事をもとにチョット知識をまとめておこう。話の中身は基本的にこの記事によっている。
『公家や武家のものだった花見の風習を庶民に広めたのは八代将軍徳川吉宗。十八世紀初め、数千本の桜を隅田川堤や近郊に植え、当時百万の江戸の庶民に行楽地を提供した。』と言うことは庶民の花見はたかだか300年の歴史と言うことになる。もっとも300年が「たかだか」かどうかは分からないが。
桜もちは味だけではなくその香りに魅かれるものがあるが、『香りの素はもちを包む桜葉に含まれるクマリン。』塩漬けの工程で初めて生じるものらしい。
大島桜が適していてその大半は伊豆の松崎で生産されているが、それは以前NHKの番組で見た記憶がある。
桜もちは東西で「好み」が違うと言うが、それが形として現れている。
『桜もちは東日本は小麦粉を使った長命寺、西日本は干し飯を使った道明寺と二つの種類に分かれる。』

長命寺(ちょうめいじ):享保二年(一七一七年)、東京・向島長命寺の門番をしていた山本新六が土手の桜の落ち葉の掃除に手を焼いて、葉を塩漬けにして、あんを入れたもちをはさんだのがはじめといわれる。(なるほど、道明寺は今でもそのままだが、長命寺は知らなかった。)
道明寺:道明寺は大阪・藤井寺にある寺の名前。お供えのもち米を乾燥させた道明寺粉はかっては僧の保存食だったが、今では懐石料理の揚げ物や蒸し物にも使う。桜もちは道明寺粉を蒸して半練りにしたものであんを包み、桜の葉でくるんだ。江戸の長命寺が西日本に伝わったときに道明寺粉にアレンジされたともいわれる。

トップの写真は「THE NIKKEI MAGAZINE」の桜もちの記事から。左が関東風、右が関西風。