プラチナの茶室「利庵」見聞録

udf2005-07-14

「夏の大茶会」と「プラチナの茶室・利庵」について書くのは3回目になる。6月10日に少し詳しく書いたがhttp://d.hatena.ne.jp/udf/20050610、そこでまだ見ていなかった「利庵」についてコメントしたが、理解に誤りがあったので修正しておく。
今日が「夏の大茶会」の初日だったので、学校のあと回ってみた。調度呈茶の直前だったので、ひとまず一服いただいて*1、その後「プラチナの茶室」の説明を聞きながらゆっくり拝見。残念ながら中に入ることはできない。
広さは「三畳台目」、茶道口と給仕口が付いている。広間に置いて使うのだろうから「にじり口」は無い。腰高の障子部分から出入りするので、その部分が「貴人口」と言う事になるのだろう。
この障子の桟は「吹き寄せ」になっていて、デザインは「遠州好み」と言われる「密庵・みったん」の障子の写しということらしいが、腰の高さなどは違うので「桟」だけと言う事になるのだろうか。「密庵」⇒http://homepage3.nifty.com/eguchi/chashitsu/yogo.htm
問題の素材についてだが、以前見た説明は、『「プラチナ」・「アルミ」・「檜」を使って・・・。』と有ったので、仕上げ材として見えているものと想定していたが、実際には「プラチナ」だけが仕上げ材として使われている。「アルミ」も「檜」も下地材にすぎず、見た目は文字通りの「プラチナの茶室」ということで、仕上げ材のバランスなどまったく関係なかった。やはり「実際に見てみないと」言葉だけの説明には行き違いが生じやすい*2
すべて「プラチナ」とは言え、中柱*3と床框は漆塗りで照明器具は蛍光灯にワーロン(ワーロンであるかどうかは分からないが、現代の材料という説明だったので、ほぼ間違いないと思う)。漆は「朱漆」、全体がグレーなので色使いは「綺麗」だと思う。ただ、床柱がプラチナであるためチョット不思議な感じがしないでもない。「床框」から「床柱」を飛ばして「中柱」に「朱色」があるのも良いのかも知れない。
一つ残念なのは照明器具。蛍光灯のソケット部分が「影」として出てしまっているのは残念なところ。これはサポートしている建築家の問題だと思う。白熱系の光源はプラチナが黄色く見えてしまうので、白色系の光源を使うのはよいとして、カバーの素材やdetailはもう少し何とかならなかったのだろうか。間接照明系で考えても良かったのではないだろうか。これからでも修正はきくのではないだろうか?とは言え、中に入ってみないと何とも言えない。お茶は、お茶室の中でいただくものであって、お茶室を見ながらいただくものでもないような気がする。是非一度機会があれば中に入ってみたい。
トップの写真は「夏の大茶会」のDM.

*1:しばらくお休み中の教室の方がお運びをされていたので、久しぶりにチョットご挨拶。

*2:「LIVING design」誌の説明の仕方にもかなり問題があると思う。下地材と仕上げ材の区別をつけて説明していないのは、茶室の建築的説明としては不十分と言わざるを得ない

*3:台目切の炉のかどに立てて袖壁をつけるための柱。