季刊 ディテール

udf2005-07-24

建築に関連する雑誌は山ほどあるが、その中で「真っ当な」建築雑誌は数少ない。ほとんどが建築の「表層」を、「ファッション雑誌」のごとくあれこれいじくりまわして、常に「売れそうなもの」を渉猟すると言う、余り感心できない状況になっているように思える。
そんな中で「季刊ディテールhttp://www.shokokusha.co.jp/zassid.html」は、比較的地道で堅実なものではないかと思えるが・・・。それでも、ややマンネリ化していると言えないことも無いが。
基本的な構成は、「今日のディテール」、「特集記事」、「連載記事」となっている。今手元にある「季刊ディテール」の一番古いものは「1967年冬季号」だが、やはり構成は今と基本的に同じで、「今日のディテール*1」、「特集:展示のための装置と空間*2」、連載記事は広瀬鎌二氏の「仕上げと納まり」や中善寺登喜次氏の「ディテール入門」と、著者だけが変わっているが似たようなことをしている、とは言える。
今日、「季刊ディテール」に関連して書こうとおもっていたのが、「今日のディテール」で最初の4つが「大手設計事務所」のものだと言うこと。アトリエ事務所はどうしたのか?でもまあ、40年前も同じとなると、そんなものかと言う事になるか。それに、「ローコスト・ディテール」がほとんど取り上げられないのは、どうしたことだろうか?「ローコスト・ディテール」は自分で開発していくものなのだろうが、もう少しそのあたりも取り上げてもらいたいものだが。
最新号も余り興味をひかれるものは無いが、連載記事は毎回面白いものが多い。今回も、内田祥士氏の『「問い」としてのディテール』、稲山正弘氏の『木の構造デザイン入門』、清家剛氏他の『PC造入門』それぞれ面白そうだ。
表紙は「シーラカンスhttp://www.c-and-a.co.jp/戸田市立芦原小学校http://d.hatena.ne.jp/udf/20050222」の外壁で、実際にもかなり「美しい」と思う。外観だけでも一見の価値あり。
「ローコスト・ディテール」については、HPに「udf school」みたいなものを立ち上げて、少し実施例が集まったら公開する準備を進めているが、まあ、いつになるかは・・・。

*1:傘庇:パレスサイドビル日建設計工務)http://d.hatena.ne.jp/udf/20040921

*2:倉俣史朗:三愛ドリームセンターショーケース等