PEACE FOREVER

udf2005-08-20

MDS|Gでの、「片岡脩 平和ポスター展http://d.hatena.ne.jp/udf/20050725。今日が最終日だったので、渋谷に買い物に出かけた帰りに寄ってみた。車で渋谷から井の頭通りを走って10分程度、三宅一生氏の事務所の少し先(道路の反対側)。
建物は良く知られているように坂茂氏の「紙管建築」だが、MDS|G自体の案内は余り見当たらない。展示自体もそう頻繁にあるわけでもないようだ、今回は単独の展覧会だと思うが、三宅一生氏のショップと連携した企画展も時々ある。

それほど大きな会場ではないので、作品の数は多くは無いが、カラフルな作品が「紙管」の壁に並んでいて、墨で書かれたポスターは円筒条にレイアウトされ、2つが天井から吊り下げられゆっくり回っていた。
片岡脩氏は中学1年の時、広島で原爆に被爆している、それも爆心地から800mの場所で、そして奇跡的に生き残った。芸大を出て、資生堂宣伝部、サントリー宣伝部そして早川良雄デザイン事務所http://www.recruit.co.jp/GG/exhibition/2004/g8_0409.htmlを経て独立すると言う、デザイン界のエリートと言う事になる。
だが、JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)主催の「ヒロシマアピールズ」ポスターシリーズに参加する機会を得ていない。理由が余り納得いくものではないが、日本のデザイン界のある意味「了見の狭さ」ではないかと、今回の展覧界のパンフレットで、金井淳氏は語っている。
パンフレットから主催者側からの紹介文を引用しておく。

広島に生まれ、被爆を体験したグラフィックデザイナー片岡脩(1932−1997)は、1985年、「平和ポスター」100枚の制作を始めた。しかしながら、完成はかなわなかった。原爆60周年を迎える今年の夏、三宅一生デザイン文化財団ではこのポスター展を企画いたしました。片岡脩がデザインにたくした平和へのメッセージです。
「惨状は鮮明に覚えている。しかし、それをそのまま表現するのではなく、それを乗り越えた表現のなかで平和と愛を考えたい」――72点のポスター制作を終えて、65年の生涯を閉じられた。

トップの写真は、今回の展覧界のパンフレット、4枚のポスターが並べられた形で出来ている。

Let us forever in Peace.
平和のうちに、いつまでも生きていけるように――

Over and over I pray for Peace.
繰り返し繰り返し、平和を訴え続けなければ――

Various people can live at Peace.
平和だからこそ、さまざまな人達と生きられる――

Each of us can do something for Peace.
ひとりひとりに、何かできることが必ずある――

今世界が平和だとはいえないかもしれないが、まず足元をしっかりと固めないことにはどうしようもない。戦争を放棄し、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」憲法を「武器」に世界が平和のうちに生きていけるようにしないと、チョットまずいかもしれない。戦争を好み、平和を忌み嫌うのは、諸国民ではなく、いつも一部の権力者であることは、歴史が繰り返し繰り返し教えていることなのに。
今回の作品、会場風景を見ることの出来るサイト⇒http://www.cre-8.jp/snap/172/