建築金物:無名の逸品

udf2004-07-25

28年前に建てられ、近々解体される建物に付いていた木製建具の金物を見ていて、なかなか「キッチュ」なデザインなのではないかと見とれてしまった。いまどき余り無いデザインで、どこと無く「レトロ」。真鍮製で特に彫りこんで埋める部分のデザインが曲線で面白い。当然現在の建具職人さんは良い顔しないような気がする。曲線にあわせて框を削り込むのは大変だと思う。
「効率」と「コスト」が全てを決定してしまうのではないかと思うほど、物作りの心がほとんどの建築から消えてしまっている(言い過ぎ)現在では、出てこないデザインではないだろうか。
建築のデザインにとって、建築金物とりわけ建具金物は非常に重要な要素になっている。また、建具金物を選ぶことは楽しいことでもある。勿論「コスト」が付きまとうので、限られた予算の中でやりくりすることも、建築家の能力の一つであることは言うまでも無い。
今週は時間が許せば、建築金物(建具を中心に)について少し考えてみたい。