THE BIG ISSUE

udf2004-10-20

「ホームレスの仕事をつくり自立を応援する」雑誌。http://www.bigissuejapan.com/
ホームレスの問題は根が深くなんとも言いかねるところがある。国連事務総長コフィ・アナン氏のメッセージの一部を紹介しておく。

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彼らをそのような状況に追いやった原因も、また様々です。例えば貧困、手頃な価格の住宅不足、社会保障体制の崩壊、そして様々な差別の存在などがあります。
ホームレス問題はある日突然起こるものではなく、政治や経済的要因、文化や社会的背景から切り離して考えることができません。そして、私たちの誰の身にも起こりうる問題なのです。
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「私たちの誰の身にも起こりうる問題」と言う部分が深刻な状況を語っている。このところの「リストラ」と言う、「首切り合理化」は企業のなすがまま、と言った感がある。
労働者の仕事と生活を守るはずの労働組合は、今や企業の合理化のための補完機関かと思ってしまうような状況なのではないだろうか?
最近はそう言う情報は、ジャーナリズムも取り上げないし、国民の知らない間にいろいろなものが変わっているのかもしれない・・・。
そんな状況の中で、中高年のホームレス予備軍も、自殺者も沢山発生しつつあるのではないか?何が起こるかわからない時代、年金など社会保障制度も危うい中、確かに「誰の身にも起こりうる」ことは間違いないだろう。
THE BIG ISSUEの内容がどうかといえば、現在の「体制」に不満が有るからこそこのような雑誌を出すのではないかと思うが、「体制」への批判がともすれば、社会習慣への反発にもつながり、多数の支持を得られない急進的な主張が顔を出すようになってしまう。この雑誌にもそんな雰囲気がチョッと感じられる。難しいことだが、「少数意見」を超えていかないと、成功は難しいような気もする。