アンジェロ・マンジャロッティ展

udf2004-10-26

あいにくの雨模様だが今日は久し振りにギャラリー三昧。
■「ギャラリー間」でアンジェロ・マンジャロッティ展。彫刻・プロダクツ・建築と幅白い活動をしているイタリアの「巨匠」。マックス・ビル*1とデザイン学校を開くかも知れなった世代なので、確かに最後の「巨匠」かもしれない。もっともまだオスカー・ニーマイヤーが残っているので、「最後の」とは言えないが。それに仕事は出来なくなったとは言え、丹下健三氏もいるし。
作品展示もさることながら、インタビューのVTRがとても面白かった。60分のテープだが全部見てしまった。「デザインの匿名性」「スケッチ」「日本のデザイナー」など興味の有る話が独特の風貌のマンジャロッテイが語る姿は、なかなか雰囲気があった。ずっと手にしていたホルダーでA4の白い紙に何かスケッチしながら話を続けていた。ちなみに手にしていたホルダーは、「CARAN D'ACHE FIXPENCIL」のようだった(オー同じもの使ってる!http://www.webachat.ch/Database/img/large/30/3015.jpgキャップの黄色いものとかいろいろある)。
合板製の組み立て家具もなかなか良い。復刻販売されるらしい。問い合わせは「ギャラリー間」へ。
写真はインタビューのビデオ。
2階のブックショップに寄ってみたが、「建築家のメモ」は置いてなかったし、ショップの人はその存在すら知らなかった。明日INAXブックギャラリーによる予定だが、あそこの店員は司書あるいは学芸員みたいだから、あそこで知らないと言われたら、本の売れ行きは先行き怪しい。
■汐サイトで軽い食事をして、松下電工の「ShiodomeMuseum」に「世界のおもしろ住宅」展を見に。それにしても世界には匿名性の住宅(住宅は本来それが普通だが)と言うか、その場所ならではの建物が随分と色々あるものなのだと、今更ながらビックリ。HundertwasserHouse(http://www.hundertwasserhaus.at/img/history/hwh_kg.jpg)まであるのはチョッと反則気味だが・・。
バーナード・ルドルフスキー著「ARCHITECTURE WITHOUT ARCHITECTS」*2の現代カラー版といったところかな。
■G8はさらっと済ませた。余り面白くなかったかな?
■HOUSE OF SHISEIDO は写真展。例によって一番奥のコーナーはビデオコーナーで、まだ都電は走っているが、三愛ビルも出来ているので60年代?と思われるビデオが流れていたが、じっと見つめ続ける熟年の女性が不思議な雰囲気だった。映像より観客の方が不思議と言うことは良くある(かな?)
ggg杉浦康平展。「都市住宅」や「SD」、「a+u」の表紙なども手がけているので、よく知っている人も多いと思う。何かイベント的なものがあるのか、業界人らしき人が大勢いた。地下の展示が面白かった。電球を天井から2列吊り下げて、その下に雑誌を展示。電球の位置は低い。その上にスクリーンを2枚吊り下げてそこに映像を映しているのだが、文字や画像を動画的に処理した感じのもの(見なけりゃ分からん!です)。
以上でギャラリーの見学は終わり。

*1:マックス・ビル1908年スイス生まれ。チューリッヒの美術工芸学校にて彫金技術を学ぶ。ドイツに渡り、後にル・コルビジェの講義に感銘を受け建築を学び始める。「バウハウス」に入校、2年間を過ごす。チューリッヒに戻った後は、建築、工業デザイン、グラフィックデザイン、彫刻等幅広い分野で活躍。1953年にはバウハウスの思想を継承したウルム造形大学を創設する。この大学で使用する為にデザインされた多目的スツール「Ulmer Hocker」がヴィトラ・デザインミュージアムより復刻、人気の商品となっている。hhstyl.com(http://www.hhstyle.com/cgi-bin/omc?port=33311&sid=U1098195087UBHMTBWHR&req=DIR&code=de0089)のサイトより

*2:「建築家なしの建築」展 Architecture Without Architects 1964年9 月、ニューヨークのMoMA で開催された展覧会。1925年にグロピウスによって提唱された「国際建築」というカテゴリーに対して、建築家のバーナード・ルドフスキーは、この展覧会でアジアの民家や穴居住居をとりあげ、「風土的(vernacular)、無名の(anonymous)、自然発生的(spontenous)、土着的(indigenous)、田園的(rural)」建築とよんだ。(玉井) 参考:バーナード・ルドルフスキー著、渡辺武信訳、『建築家なしの建築』、鹿島出版会1984年⇒ART SPHERE HAIZUKA 1999より引用http://www.ny.airnet.ne.jp/haizuka/jp/sphere/1999/doc/a_g.html