「諏訪建築+不二山」ツアー

udf2005-06-23

光悦と琳派展」「サンリツ服部美術館」での展覧会。6月19日http://d.hatena.ne.jp/udf/20050619に書いた「不二山」を見に諏訪湖まで出かけたが、予想に比べてかなり遠かった。小淵沢から少し行くと諏訪インターで、そこから20号線で15分ぐらい。
建物の設計は故内井昭蔵氏で柱頭と外壁のタイルが特徴的。展示は勿論、国宝の「不二山」が一番だが、宗達と光悦の色紙帖もさすがに見ていて心地よい。面白かったのは、鈴木其一による「茶筅売図」。竹の先に茶筅をいくつも付けて売り歩く僧侶(?)の水墨画。江戸時代の茶にまつわる風俗が分かって面白い絵、と言った印象。
■会期:2005年6月6日(月)〜7月10日(日)
  休館日・・・・・・ 毎週月曜日、展示替期間
■開館時間 午前9時〜午後5時
その後、諏訪湖畔の道路を少し移動して、伊東豊雄氏の「諏訪湖博物館http://www.shimosuwa.com/culture/akahiko/」へ。新築当時のアルミのパネルの輝きがやや失われた感じがするが、やはり形はユニークだ。来館者は余りいないようで、2階にあるcafeは全く使われていない。折角、諏訪湖を見渡せる最高のローケーションなのに残念。先日の谷口吉生氏の講演会で、美術館のcafeについての質問を思い出した。展示空間はエントランス部分から左右に2つに分かれているが、メイン展示空間はかなりダイナミックに出来ている。外観がそのまま内部空間になっていて「さすが〜!」上手い。でもまあ、こらは一般の人は見に来ないだろうなあ、小学生の社会科見学とか・・・。
昼食は、博物館の受付にいた人に聞いて*1、信州そばをいただいた。
その後、インターチェンジの近くまで戻って、「神長官守矢史料館http://homepage2.nifty.com/K-Ohno/a-map/Nagano/3612-ZM-museum/01-ZM.htm」へ。周辺の笹の植え込みが成長していて、ランドスケープデザイン?がなかなか良い雰囲気を出している。意外と回りに民家が建っているが、結構「藤森」姓が多いのではないかな・・・。周辺には土蔵がぱらぱらと建っているが、朽ち果てそうなものもあるが、良く保存されて使われているようなものもある。
誰かが書いていたように、壁に並べられた「鹿と猪の頭部の剥製群」と「串刺しの兎」には度肝を抜かれた。自然と一体化していたであろう当時の生活が、なんとなく想像される。建築的には、「床・壁・天井」が「簾さ」入りの土で塗られているところが、いかにも「藤森建築」らしいと思った。外壁の杉もかなり経年変化で「灰色」になってきていて、「らしさ(?)」も出ていてやはり、魅力的な建築だと思う。
近くに古墳があり、そこまで行くと、遠くに「高過庵http://tampopo-house.iis.u-tokyo.ac.jp/fujimori/work12-1.html」がヒョコッと建っているのが見える。リサーチ不足で、そこに至る経路を調べていなかったので、資料館を出てすぐ右に曲がる農道があったのでそこを歩いていった。途中農作業をする「おばあちゃん」に、「藤森先生の家を見に行くのかい」と声をかけられて、近くまでいけるか聞いてみた。「そこをいけばすぐだよ」と教えてもらって、畑の中を迷いながら足元にたどり着いた。すぐ横に舗装された道路が来ていたが、畑の中を歩いて到達したのは、経路としてはなかなか良かったかもしれない。これまた、大きさ・雰囲気・周辺とのマッチング等々「いいなあ、これ!」と言った感じ。中には入れなかったが、外観だけでも見に来て良かったと思わせる「建築」だった。
かくして、「諏訪建築+不二山」ツアーは無事終了。たまには「充電」しないと。それにしても、もう一人では車を駆って遠出は出来ない。同伴者と運転は交代で何とか日帰りが出来た。写真は沢山撮ったが(NIKON70D)、パソコンに取り込むケーブルを学校に忘れてきたので、まだカメラに入ったまま。

*1:外まで出てきて、お店の場所を教えてくれた。とても親切。