超高層マンション

■知人と昼食。JIAの会員でもあり、共同住宅に詳しい人だ。最近の「超高層マンション」の話になって、日本の現状に危惧の念!現在の「超高層マンション」の乱立は、購入する側にも問題があるとしても、欧米特にヨーロッパにおいて高層マンションの弊害に警鐘が鳴らされている状況を無視して、利潤を得るためになりふりかまわず建て続けるディベロッパーの責任は大きいと言わざるを得ない。張本人の「3M」に、「T」=都市再生機構も含めざるを得ない。高層住宅の弊害については、いろいろな場で語られているが、「早川和男」氏の文章を引用しておく。http://www.yuhikaku.co.jp/shosai/20c/20000601.html

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1970代に入るとこれに替わる新たな住居の考え方の胎動が始まった。 先ず、 西欧社会では都市再開発と高層住宅は中止された。 再開発はコミュニティを壊す。 再開発後に建設される高層住宅は高齢者や子どもを孤立させる。 ロンドンでもパリでも戦後建設された巨大高層住宅群は爆破され、 中低層住宅に建て替えられている。 その爆破光景は壮観というほかない。
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ソフト面の心配の他にも、ハード面での心配もあるのではないだろうか。
多摩ニュータウンでの手抜き工事を監理できずに、取り壊しの建物もずいぶん出たようだが、現在の建設事情は最悪ではないだろうか。ディベロッパーは工事費を叩きに叩き、ゼネコンもサブコンもさらに下請けの弱小工務店は、採算割れ覚悟の受注と言うこともあると聞いている。このような環境の中で、本当に安心して住める「超高層住宅」となっているのだろうか?多摩ニュータウンのように、造り直してすむと言う問題ではない。「錯乱のニューヨーク」ならぬ、「破滅のTOKYO」にならぬと良いが。
「森ビル」はとうとう、東京に根を張っていない「松坂屋」を使って、銀座の破壊にも手を付けようとしている。銀座通りに、そこいらじゅうに作りまくった「粗大ゴミ」のような超高層複合ビルを造ろうとしている。どこまで東京を破壊すれば気が済むのか?六本木ヒルズ回転ドアの安全対策を行わなかった理由を「デザインが良くなくなる」からといったそうだが、六本木ヒルズ自体のデザインが「最悪(個人的印象に過ぎないが!)」なのだから、「デザイン」を冒涜するような言葉は、口にしないでもらいたいものだ。怒り心頭に達する!!!かもしれない。まあ、それぞれ立場はあるだろうが、生活する人々が納得するような街づくりをしてもらえればと思わざるを得ない。
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