末富のデザイン展

udf2004-12-22

銀座松屋デザインギャラリーの「食」に関する展覧会。
https://www.mica-island.com/interiorandgardening/interior/event/2005/1/0124designgallery1953/main.htm
今回の担当は、最近かなり露出度の高い「深澤直人」氏。DMの案内を引用しておく。

「五感を駆使して楽しむ京菓子とはまさに、精神を豊かに喜ばせる概念の遊具である」と、京菓子司末富主人の山口富蔵氏は言う。私が最も感心するのは、そのかたちが手をつかった造形のプロセスの断片として完成しているところである。素材の力が形を成しているところである。   展覧会担当・深澤直人

■会期:2004年12月27日(月)〜2005年1月24日(月) ※最終日17:00閉場
■会期中営業時間(松屋銀座
(12月中〉10:00〜21:00 29日(水)・30日(木)は20:00まで / 31日(金)は18:00まで
〈1月中〉10:00〜20:00 金は21:00まで 月火は19:30まで
1日(元旦)は休業 / 2日(日)は19:00まで  3日(月)4日(火)は20:00まで

和菓子はお茶と切り離せない。お稽古に行っている先生も、重要な茶会では京都からお菓子を取り寄せていることもあるようだ。
たしかに日常使っているお菓子と、その姿も味もかなり違う。主菓子は通常生菓子で季節の花などの姿を写したものなのだが、通常使っているものは、皆で「何だろうこの花は?」と眺めることもしばしば。やはり職人さんの腕は如実に現れるものだ。
小堀遠州ゆかりの菓子に「長生殿」http://www.morihachi.co.jp/ と言うものがある。生菓子ではなく「押物」と言うのだろうか、「和三盆」の品のある菓子だ。
中村汀女の伝統の銘菓の句集の中に「長生殿」を詠んだ句がある。

その後のこの秋風や
菓子見せむ

そこに載っていた「長生殿」の解説を引用しておく。

●森八・石川
日本三代銘菓の一つとして知られる長生殿は、遠州流茶道の祖である小堀遠州にゆかりの深い菓子です。
長生殿という銘も文字も遠州のものという由緒ある打ち菓子です。口に含んだとき、丸く溶けていく和三盆の味と、加賀特産のもち米が静かに広がるさま、それに紅白のみやびやかな色合いは、さすがに350年の伝統を守ってきただけある品格の高いものです。

俳句と銘菓を積み合わせたなかなか楽しい本。菓子の写真・解説・お店の名前+俳句で構成されている。「末富」のお菓子もそれぞれ一つずつ載っている。

四季の銘菓ごよみ―中村汀女句集

四季の銘菓ごよみ―中村汀女句集


伝統の銘菓句集

伝統の銘菓句集


今回の松屋デザインギャラリーの展示は生菓子なのだろうか?深澤直人氏の説明だとそんな感じがしないでもないが、どのように生菓子を展示するのだろうか?毎日、新幹線で京都から運んで、夕方になるとお茶席が出来て、そのお菓子をいただける、なんていう展示だと楽しいが。
日本の銘菓を見ていると、木型で作るものもあるようだ。中村汀女の本にその木型の写真が載っているが、とても美しい。唐紙の版木に通じるものがある。