不二山

udf2005-06-19

日曜美術館の「アートシーン」で「サンリツ美術館http://www.sunritz-hattori-museum.or.jp/」の案内があり、光悦の白楽茶碗「不二山」が7月10日まで展示されているようだ。折角の機会なので見に行こうと思っている。茶碗のことは時々書いているが(http://d.hatena.ne.jp/udf/20041214)、やはりこの「不二山」は一度実物を見てみたい。
この茶碗の写真はいろいろネットでも探せると思うので、今日のトップの写真はその茶碗を入れてある「共箱(ともばこ)*1」。
以前にも書いたとおり、国宝の茶碗は5つ有り、そのうちの一つがこの「不二山http://www.localinfo.nagano-idc.com/suwa/suwako/otya/kokuhou/koku1.htm」と言うことになる。他の4点は以下の通り。
●油滴天目茶碗(藤田美術館蔵)http://www.moco.or.jp/jp/colle/colle/China_B/028.html
曜変天目茶碗 銘 稲葉天目(静嘉堂文庫蔵)http://www.seikado.or.jp/sub030101.htm
●大井戸茶碗 銘 喜左衛門(孤篷庵蔵)http://www.harataco.org/nagasawakama/history.html
●志野茶碗 銘 卯花墻(うのはながき)(三井文庫蔵)http://www.mitsui-bunko.or.jp/be_gazou/unohanagaki.htm
楽茶碗と言うとどうしても「長次郎」を祖とする京都の「楽」家のものとなるのかもしれないが、個人的な好みとしてはやはり「光悦」の一連の「楽焼」が良いと思う。以前赤坂の「サントリー美術館」に、楽焼が一堂に会した「楽焼」の展覧会があったが、そのときもそう思った*2
ところで、「箱書」−「共箱」について「淡交」の文章を引用しておく。

作者がその作品を納める箱に、みずから箱書したものを「共箱」という。この「不二山」の箱には光悦みずからが「不二山 大虚菴(印)」と書いていて、これは日本陶芸史上における共箱の第一号として特筆される。・・・

「共箱」、茶杓で言えば「共筒」だろうか、箱に納められた茶碗なり茶杓なりの道具の「素性」を明かすものとして、非常に重要なものとされている。
それにしても、名のある茶碗であっても、綺麗な画像をネットから見つけるのは難しいものだ。文化的な価値が有るものについては、もっと情報がオープンになっていると良いと思うが。
まあそんなわけで、今週「サンリツ美術館」に「不二山」を見に行くことにした。中央高速でひとっ走りして「サンリツ美術館(設計:内井昭蔵氏)」→「諏訪湖博物館・赤彦記念館(設計:伊東豊雄氏)http://www.shimosuwa.com/culture/akahiko/」→「神長官守矢史料館(設計:藤森照信氏)http://homepage2.nifty.com/K-Ohno/a-map/Nagano/3612-ZM-museum/01-ZM.htm」→「高過庵(設計:藤森照信氏)http://tampopo-house.iis.u-tokyo.ac.jp/fujimori/f-work-navi.html ⇔藤森研究室のホームページ」のコースの予定。高過庵は外観だけということになるだろうが、まあ雰囲気だけでも分かれば良い。

*1:雑誌「淡交」別冊「光悦・光琳・乾山」ヨリ

*2:光悦七種と言われる茶碗があって、「不二山(白)」、「雪峰(赤)」畠山記念館蔵:金継ぎされた柔らかなイメージ、らしい。「障子(赤)」、「雪片(赤)」、「毘沙門堂(赤)」、「 鉄壁(黒)」、「七里(黒)」五島美術館蔵:写真は少し光ってしまっているが。http://www.gotoh-museum.or.jp/ 
余り画像が見つからないし、実際に現物が残っているのかも分からないものが多い。「淡交」に載っていたものは、「村雲(黒)」楽美術館http://ken12401.web.infoseek.co.jp/menuchi/A17_2.htm、「雨雲(黒)」三井文庫http://tankosha.topica.ne.jp/books/tanko/ta00-6/、「加賀(赤)」萬野美術館(2004年に閉鎖されている、「加賀」がどこに行ったかは分からなかった。)、「十王(赤)」五島美術館http://www.gotoh-museum.or.jp/collection/02016_001.html