puppet

udf2005-06-20

「人形」と言うと「人」+「形」と言うことで、どこか不気味な感じがしないでもない。とは言え、洋の東西を問わず「人形」の文化と言うものが厳然として存在している。身近なところでは、三月三日の「ひな祭り」や五月五日の「端午の節句」には「人形」は不可欠。我が家にも子供の頃から毎年飾っている、白馬にまたがる鎧兜の武者人形があり、戦後間もない物の無い頃ではあったが、実に良く出来た人形でとても気に入っている。手作りの人形も毎年飾っている。
そんなわけで「人形」文化と言うものは、かなり一般に行き渡っていると考えてよいのではないだろうか。
今日の「puppet」は、動く人形のことのようだ。「SIGNATURE」の7月号の特集は、「北海道−大人の修学旅行」というものだが、「マリオネットのすすめ」が面白そうなのでチョッと触れておくことにする。
記事を書いているのは、「Puppet Househttp://www.puppet-house.co.jp/main.html*1」と言うパペット専門店のオーナー「深沢拓朗」氏。
そこでまず、「パペット」と言う聞きなれない言葉についての説明を引用しておく。

・・・
英語では、人形を意味する言葉に、ドール=dollとパペット=puppetの二つがあります。ドールは、飾り人形や抱き人形などの動かない人形。パペットは、「劇人形」などと訳されることもありますが、動かして楽しむ人形の総称です。
もう少し詳しくいうと、ハンド・パペットは手遣い人形、フィンガー・パペットが指人形、ストリング・パペットなら糸操り人形といった具合です。
では、マリオネットは?マリオネットはもともとフランス語です。少々ややこしい話ですが、フランス語圏では、マリオネットはパペットと同じ意味で使われます。つまり動かす人形の総称。でもフランス語圏以外では、マリオネットといえば、通常、糸操りの人形を指します。
・・・*2

動かす人形といえば、日本では「人形浄瑠璃」という長い歴史を持っている。この「人形浄瑠璃文楽」については以前書いたが(http://d.hatena.ne.jp/udf/20050510)、『慶長年間初期(16世紀末)三味線の伴奏による浄瑠璃と人形劇を融合した人形浄瑠璃は、淡路で生まれたといわれています。』*3
ということでかなりな歴史がある。深沢氏によると、すでに17世紀末には家庭まで「手遣い」や「糸操り」の人形が入っていたということで、『人形劇王国と呼ばれるチェコでさえ、最初に家庭向けのパペットが売りに出されたのは1900年代初頭・・・』だそうだから、さすがに日本は・・・。
「SIGNATURE」には、ヨーロッパのマリオネットの写真がいくつか載っているが、「アート」になっていて、優れた彫刻作品といった感じがする。日本の人形師が作る人形も芸術品だが。
トップの写真は、ジー・バレシュという作家の「男と女」(わかり易い!)という作品*4
「Puppet House」にはギャラリーも併設されているらしいので、ちょっと寄って見たい感じがしないでもない。「工芸ギャラリー 邁」と一緒に見ても良いかもしれない。駅の前と後ろで、かつ線路をまたいではいるが。

図説 日本の人形史

図説 日本の人形史

*1:場所は飯田橋日建設計の近くのようだ。

*2:太字引用者

*3:人形浄瑠璃 文楽 BUNRAKU」より引用http://www.lares.dti.ne.jp/~bunraku/bun_top.html

*4:2003年に東京近代美術館工芸館で開催された「今日の人形芸術−概念の造形http://www.miuraz.co.jp/miurart/ningyo.html」という展覧会にこの作家の作品が展示されたらしい。